Canon A-1は1978年の電子式カメラです。前回のNikomat ELと一緒にもらい、同じく箱の中にしまったままになっていました。電池を入れると動いたのですが、シャッターを切るたびに「キュン」という異音がします。この音は「シャッター鳴き」と呼ばれるCanon A-1の持病だそうです。十数枚程度の撮影なら問題ないと思うので、このまま試写に出掛けました。
カメラに付いていたのはCanon Zoom Lens FD 35-70mm F2.8-3.5。たったの2倍ズームなのにもかかわらず、大きく重いレンズです。
広角側の写りはまずまず。F2.8なのである程度はボケます。
望遠側は……。そりゃないだろ、というようなコントラストの低さ。それにひどい湾曲。昔のズームレンズってこの程度だったのでしょうか。
広角側でストッパーを外すと簡易マクロモードが使えます。これは最短距離。プログラムオートでの撮影ですが、露出は正確なようです。
カメラには多重露光モードがあるので試してみました。多重露光は初めてなのですが、これは白飛びの空を入れすぎましたね。独特のコツが必要なようです。
Canon A-1は多機能なカメラで、マニュアル撮影はもちろん、オートはプログラムオート、速度優先オート、絞り優先と全て揃っています。更には露出補正、露出固定など、ありとあらゆる機能が搭載されています。使い勝手もよく、初めて使うのにもかかわらず、ストレスを感じることなく撮影することができました。当時としてはほぼパーフェクトなカメラだったのではないでしょうか。